緑ヶ丘中学校のB君より電話がありました。
何事かと思っていたところ、「先生、今日卒業しました!」とのことでした。
B君とは中学2年生の初めから約2年間の付き合いでしたが、もう卒業を迎える時期なのかとしみじみ感じました。

彼は入塾当時は勉強への苦手意識が強く、決して意欲も高くはありませんでした。
ですが数学で好成績を残してから一変し、劇的に成長を遂げました。

高校受験の時も志望校への強い気持ちからますます勉強に熱が入り、無事に合格することが出来ました。
これは彼の努力が生んだまぎれもない成果です。
塾講師をしていて一番うれしいのは、こうして指導に関わったお子さまが喜ぶ姿を直に見られることです。

勉強は大半のお子さまにとって、決して楽しいものではないと思います。
「やらなければいけない」とは感じつつも、怠け心や誘惑によって熱が入らないことは仕方のないことかもしれません。
現代のお子さまにはスマートフォンが当たり前にありますので、保護者様のころとはまた違った環境であることも確かです。

「なんで嫌な勉強をしなければいけないのだろう」と思うお子さまは多いと思います。
私なりの考えを述べますと、”人生への挑戦”であると思っています。
人は生きる上で楽しいことばかりではありません。
むしろ辛く嫌なことのほうが多いくらいです。

しかし、生きていく以上避けては通れないことがあります。
それが学生にとって勉強であると思うのです。
つまり今、勉強から目を背けてしまうことは人生から逃げてしまっているのと変わりがないのかもしれません。

私は塾講師として勉強を教えることはもちろんですが、お子さまたちにより良い人生を歩んでほしいと思い接しています。
時には叱咤激励をしながら、”どうやってこれからの道を切り開く手助けができるだろうか”
それが指導者の使命でもあると思うのです。

表現はきついかもしれませんが、毎日の授業はある意味お子さまたちのとの戦いです。
一人ひとりのお子さまと真正面から向き合うためには優しさだけでは足りないのです。
「もっとこうしておけばよかった」と反省の毎日ですが、今回のB君のことに関しては私のやり方が決して間違ってはいなかったのだと自信になりました。

これからも子どもたちのことを想い、未熟ながらも力になりたい。
そう思える一日でした。